遺言書の作成

　公正証書遺言は、公証役場において公証人および証人2名の前で、公証人に対し遺言の内容を伝え、公証人がその内容を公正証書遺言として作成し、公証役場において遺言書を保管するものです。

　公証人が遺言者の気持ちを汲んでしっかり遺言書という形に作成しますので、自筆証書遺言のように作成したにもかかわらず無効になるといったことがありません。

　また、作成した公証役場に原本が保管され、なおかつデータでバックアップもされているので、災害等で原本が消失・紛失等した場合であっても復元が可能です。

　以上のとおり、遺言書の作成方法としては一番正確・確実であり、当事務所においてもおすすめする遺言方法です。

公正証書遺言作成の流れ

1. 弊事務所※にてご相談　※ご自宅・病院等への出張可
2. 遺言書案の作成
3. 公証人との遺言書の内容についてのすり合わせ
4. 公証役場※にて公正証書遺言の作成　※公証人がご自宅・病院等への出張可　　

　３種類の中で一番お手軽にできる遺言書です。

　ドラマなどで引出の中や書棚の中から見つかる封筒に入った遺言書はたいていはこの自筆証書遺言です。

　ただし、自分でお手軽に作成できるかわりに、決められた要件をクリアしていないと無効になってしまうので注意が必要です。

　また、自筆証書遺言の場合には、公正証書遺言の場合と違い、ご相続が発生した後、家庭裁判所において「検認」という手続きを経る必要があります。（検認手続きを経ないと登記等の相続手続きができません。）

自筆証書遺言作成の要件

1. 遺言書の全ての文章、日付、氏名を遺言者がすべて手書きすること。
2. 遺言書に押印をすること。

　※1と2のすべての要件が満たされていないと遺言書の内容自体がすべて無効になります。

自筆証書遺言の注意点

• 遺言者自身が必ず全文、日付、氏名を手書きで書くこと（タイプライター・ワープロ書きでは無効になります。）
• 日付を必ず年月日まで（例：平成29年1月1日）忘れずに書くこと（「平成29年1月」「平成29年1月吉日」などのような日付が特定できないような記載は遺言書自体が無効になります。）
• 必ず押印をすること。（押印がない場合、サインや花押などの場合は遺言書自体が無効になります。実印である必要はありません。）
• 相続発生後に家庭裁判所において検認手続きをする必要があります。
• 自筆証書は、公正証書遺言と違い遺言者自身が信頼できる第三者に保管を頼んだり、保管場所を伝えたりしておかなければ、紛失、改ざん、処分されるなどの恐れがあります。